全国「道の駅ランキング」上位に入賞する人気店に。山翠舎による古木のお店第一号


店舗名/道の駅おたり 取材協力/株式会社 道の駅おたり 代表取締役:幾田美彦さん 業種/道の駅運営
店舗名/道の駅おたり
取材協力/株式会社 道の駅おたり
代表取締役:幾田美彦さん

新潟県との県境にある長野県安曇郡小谷(おたり)村には、山翠舎の古木を使った施工店舗・第一号店の「道の駅おたり」があります。1999年に村営(第三セクター)の施設として開業し、その後2009年に山翠舎の施工によりリニューアルオープン。

「道の駅おたり」をオープン以来18年間責任者の立場で見てきたのが、現・代表取締役の幾田美彦さん。今回は幾田さんにお時間をいただき、リニューアルの経緯や現在の店舗の状況について、お話を伺いました。

 

 


Q.山翠舎との出会いについて教えてください。

山翠舎さんに施工を担当してもらったのは、まさに偶然でした。

リニューアル前の道の駅は、40Wの蛍光灯の下に、6人掛けのテーブルが並ぶ、まさに町場の社員食堂のような雰囲気でした。それはそれで味わいがあるかもしれませんが、集客施設としての魅力は、いまいちだったと思います。

そんな中、開業から10年が経ち「このままでは、お店も従業員も成長しない!」と危機感を覚え、2009年に小谷村に対して第三セクターから株式会社へ組織変更を相談。同時に施設もリニューアルして、しっかり利益を出せる店舗づくりをすることになりました。

その設計を依頼したデザイン事務所から紹介された施工会社が、山翠舎だったんです。最初は一工務店の立場として来ていただいたのですが、当時の社長(現・会長)から「古木があるから、見に来ないかい?」と聞かれ、山翠舎さんの倉庫に伺ったんです。そこにはたくさんの古木がストックされていて、それを見た時に、すぐにピンときました。「これはぜひ内装に使いたい!」と思ったことを覚えています。

長野本社の工場でストックされている古木
長野本社の工場でストックされている古木。

私の構想では、羽釜を使った美味しいご飯の提供やお客様に心地よく食事を楽しんでもらえる内装に加えて、「お客様に少し緊張感を持ってもらえるような空間づくり」も考えていました。緊張感とは、不快になるほどのモノではなく、他とはちょっと違う特徴やフックになる要素のことです。そうした点があるほうが、記憶に留めてもらえる店舗になると思ったんです。

この羽釜で炊いた美味しいご飯を提供している
この羽釜で炊いた美味しいご飯を提供している。

そう考えた時に古木を使った内装のデザインは、まさに打ってつけでした。山翠舎さんの提案により、食事コナーの一角に古木の柱と梁で構成したダイナミックな空間をつくり、さらに入り口付近の店構えにも古木を採用。印象的な設えが完成しました。


Q.リニューアル後のお客様の反応はいかがでしょうか?

「道の駅」は観光業そのものなので、連休やゴールデンウィーク、お盆休みなどは、正直何もしなくてもお客様が足を運んでくれます。ですが、問題は平日です。

何もない普通の日に、いかに足を運んでもらえるか。まさにこの点にお店の売上が掛かっています。「仕事のついでに、ちょっとおたりで食事をしていこう」「お昼だし、どうせなら、おたりに行って食事がしたい」……こう思ってもらえるお客様をいかに増やせるかが、重要です。

2009年のリニューアルでは、事前のマーケティングにより6人掛けのテーブルを廃止するなど、時間をかけてお客様の動きなどを徹底的に精査しました。その結果、以前よりも座席数は減っていました。

 

レストラン「鬼の厨(おにのくりや)」
レストラン「鬼の厨(おにのくりや)」

にもかかわらず、連休などの書き入れ時については高い水準でさほど変化はないのですが、問題の平日では、リニューアル前より売り上げがアップしました。また、セルフサービスなども導入したのでスタッフの数も抑えられ、お店の「質」は上げつつも効率の良い営業スタイルに転換することもできましたね。

売上がアップしたことに加えてありがたいのが、「関東道の駅人気ランキング」(調査元/関東道の駅連絡会)で、常時15位~20位に入れるようになったことです。関東には165件ほどの道の駅があり、ランキング上位の大半は何度も足が運びやすい、アクセスのいい東京近郊の道の駅。

この「おたり」は、東京から最も遠い道の駅にもかかわらず、常に人気上位にランクインできるほどに成長しました!

ちなみに、「全国道の駅ランキング」(調査元/全国道の駅連絡会)では、50位以内にラインクインしています。全国には1600件の道の駅があることを考えると、アクセスの悪い「おたり」が50位以内に入るというのは驚きです。

手前味噌になりますが、道の駅としては「成功例」として受け止められていて、他の市町村の職員さんが、見学や道の駅の講習の場を求めて、来店されるケースも増えましたね。

人気メニュー「山賊揚げ」。
人気メニュー「山賊揚げ」
お土産店とレストランを併設する「道の駅 おたり」。
お土産店とレストランを併設する「道の駅 おたり」

Q.これからの「道の駅おたり」と今後の展望について教えてください。

私は道の駅をただの集客施設としてではなく、地域の活性化、特に若い人たちの働く場にもしたいと考えています。20代・30代が小谷村で働きながら暮らしていくのは大変なこと。病院や教育のレベルなどにも問題があると思う。でも、だから諦めるのではなく、活躍できる人材を育てていきたい。そのためには、しっかり収入を確保できる、「儲かる道の駅」をつくりたいという想いで取り組んできました。

地方だからと言っておざなりにするのではなく、デザインやメニュー、組織の在り方も含め、働くことに誇りを持てるような店舗づくりが大切だと思いますね。

道の駅「おたり」をリニューアルしてから8年。小谷村内にある国立公園のインフォメーション施設「栂池ビジターセンター」のリニューアルも私の管理のもとに行うことになりました。この時に迷わず頭に浮かんだのが、やはり山翠舎さんです。古木を使った施工により雰囲気がガラッと変わった道の駅での成功体験。これが後押ししたことは、言うまでもありません。

栂池ビジターセンターのリニューアルは、「テーマパーク」というコンセプトと、集客施設としての徹底した内装へのこだわりなど、日本中にあるビジターセンターの考え方とは全く異なる発想でプロジェクトをスタートしました。

現在の山翠t ESeeerxnm 舎さんは、設計施工の一貫体制になっているので、デザインからすべてお任せしました。そして今回も私の頭の中にある断片的なイメージを見事に形にしてくれましたね。

完成した栂池ビジターセンターは、提案時のイメージとほぼそのまま。クオリティの高い提案には驚かされました。

栂池は一年を通じて寒冷な場所なので、来訪者の冷えた体を暖める暖炉を設置。栂池ビジターセンターの新たな象徴に
栂池は一年を通じて寒冷な場所なので、来訪者の冷えた体を暖める暖炉を設置。栂池ビジターセンターの新たな象徴に。
施設内には、クライミングウォールも提案
施設内には、クライミングウォールも提案。

オープンは2017年この6月です。これまで年々減少傾向にあったお客様の足取りがどう変化するか、今からとても楽しみです。こちらの結果については、また別の機会にお話させていただきます。

山翠舎さんと出会った時は、まさかこれほど永いお付き合いになるとは思ってもいませんでした。

これからも、末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。


山翠舎から幾田さんへ提案した、栂池ビジターセンターの改修計画。資料の一部抜粋
山翠舎から幾田さんへ提案した、栂池ビジターセンターの改修計画。資料の一部抜粋。

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