ステーションビルで1位・2位の売上を競うお土産店。古木で「発酵と蔵」をテーマに店舗づくり


店舗名/信州くらうど※株式会社マツザワ 取材協力/ 株式会社マツザワ企画営業グループ リーダー:宮島洋平さん(写真中央) 信州くらうど店長:松下昌靖さん(写真右)
店舗名/信州くらうど※株式会社マツザワ
取材協力/
株式会社マツザワ企画営業グループ リーダー:宮島洋平さん(写真中央)
信州くらうど店長:松下昌靖さん(写真右)

観光客向けのお土産店をこれまで100店舗以上展開してきた「株式会社マツザワ」さん。長野県で初出店となる「信州くらうど」は、「発酵と蔵」をテーマに、今までにないコンセプチャルな店舗デザインを目指して動き出したプロジェクトでした。出店場所は、お土産店がひしめき合う、長野駅のステーションビル「MIDORI」内。

「地元の長野県にあり、印象的な空間デザインを提案する会社」に絞って、数社検討する中でお声掛けいただいたのが、私たち山翠舎でした。

今回のプロジェクトで、主導的な立場にあった営業グループリーダーの宮島さんと、店長の松下さんに、山翠舎を選んだ経緯から、現在のお店の状況、これからの展望までを伺いました。


Q.「信州くらうど」の計画で山翠舎を選んだ決め手を教えてください。

今回の長野県初出店にあたり、まずはホームページをいろいろ見ながら、店舗づくりのパートナーになる会社を探していました。いわゆる一般的な内装業者さんではなく、こだわりがあり、私たちの「発酵と蔵」というテーマを上手く形にしてくれそうな会社を探していました。長野県にある従来のお土産屋さんにはないような、店舗デザインを求めていたんです。そして、ドアをたたいたのが山翠舎さんでした。

「古木」を使った特徴的なデザインもさることながら、こちらの漠然としていたコンセプトやデザインのイメージをまとめるプロデュース力に触れ、ここなら、今回のプロジェクトが形になると感じましたね。そして鉄砲梁を大胆に使った空間デザインや、棚といった什器の造作など、デザインと使い勝手が両立した優れた提案に触れて、依頼を決意しました。結局、他社からお話を聞く前に、山翠舎に決めてしまいましたね(笑)。

「信州くらうど」コンセプトボード
「信州くらうど」コンセプトボード。

もう一つ驚いたというか、依頼を後押ししたのが、ロゴやポスター、名刺、パッケージデザインなども、今回の店舗の雰囲気に合わせてトータルでプロデュースしてくれたこと。通常、こうした要素は、店舗計画の後になってしまうのですが、同時並行で進めてくれたので、店舗のデザインともズレがないうえ、時間の短縮にもなり一石二鳥でした。

山翠舎が手がけた「信州くらうど」。ロゴをはじめ、のれん、ポスター、ペーパーツールも当社で提案しました。
ロゴをはじめ、のれん、ポスター、ペーパーツールも当社で提案しました。
パッケージデザインも、一部、山翠舎が担当しました。
パッケージデザインも、一部、山翠舎が担当しました。

Q.お客様の反応はいかがでしょうか?

印象的だったのが、古木から「木の好い香りがする」とお客様に言われたことです。私は毎日ここにいますので、慣れてしまって鈍感になっているのですが、お客様から言われると嬉しいですね。また、柱を触っている人や、「これは何の木?」なんて聞いてくる方も。

当店はお酒や味噌も扱っています。いずれも伝統と歴史のある「本物」を使った日本の食品なので、古木のイメージともよくマッチするんです。こうした雰囲気の店舗は、必然的にターゲット層も年配の方に絞られてきます。だから年代的にも、古民家で使われていた柱や梁に、ノスタルジーを感じられるのではないでしょうか。

古木を使った内装が、お客様との貴重な接点になっていて、私たちも嬉しく思いますね。

当社ではこれまで、100店舗以上のお土産店を手掛けていますが、お客様とのこうしたつながりは初めてのことです。

日本酒の売り上げも好調とのことです。
日本酒の売り上げも好調とのことです。

Q.お店の売上については、当初計画と比べていかがでしょうか?

ステーションビルMIDORIには100店舗以上が入っているのですが、お陰様で当店の売上はテナントの全店舗中1位・2位を争うほどになりました。ただ、あくまで高級店ではなく、誰もが気軽に買っていただける品々を揃えているので、お客様単価自体は大幅に高いわけではありません。そんな中でも、割と販売単価が高い日本酒の売上が、全体の3割ほどもあり、かなり貢献してくれています。先にもお話しましたが、古木の内装が、日本酒のイメージと大変よくマッチしていることも影響していると思いますね。

当店はテナントの中では、実はそれほどいい場所ではありません。やはり好立地は、ステーションビルに入って、最初に見えるスペース。しかし、当店はステーションビルの奥のうえ、エスカレータの裏手なんです……。

一見するとよく分からないのですが、ちょっと足を踏み入れると、奥の方に何やら別世界の空間が広がっているように見えます。デメリットが高いと思われる場所が、古木を使った店舗のデザインにより、「奥にある特別な場所」に変わったんです。

また、通常お店の入り口には、売れ筋の商品をどっさり並べるのが定石。しかし、山翠舎さんからは、そこに「発酵バー」を設ける提案を受けました。

「発酵バー」とは、日本酒の試飲を有料で行えるちょっとしたスペースで、今回の当初計画から設ける予定でした。ただ、店舗内の奥に設けようと考えていたんです。でも、あえて前面に出したことで、その手前にあるステーションビルの休憩コーナーも、一体の空間として取り込むことができました。「発酵バー」が、お客様の足をビルの奥にある「信州くらうど」へと向かわせる、よいマグネットになっていると思います。

嬉しいことに地元の常連さんもできました。

「信州くらうど」の顔にもなっている「発酵バー」。日本酒の試飲ができる場所。
「信州くらうど」の顔にもなっている「発酵バー」。日本酒の試飲ができる場所。

Q.株式会社マツザワさんとしてのご評価、今後の展開・展望について教えてください?

「信州くらうど」のプロジェクトは、当社の中でも結構な投資だったので、社長以下全社的にかなり注目を集めていました。なので、私たちもトコトンこだわり、山翠舎さんの良い提案はどんどん受け入れていきました。使用する古木を倉庫まで見に行ったり、ロゴまで一緒につくったり……。完全なオーダーメイドで山翠舎さんと一緒に創り上げた自慢の店舗です。

実は設計・施工中には、会社から「やり過ぎでは?」という声も挙がっていたんです。でも、そんな声を挙げていた方たちも、完成したこの店舗を実際に見て、その圧倒的な質感や今までにないお店の雰囲気に一同みな驚いた様子。同時に、今回のプロジェクトに納得・満足してくれましたね。

「信州くらうど」は、写真や図面で見るのではなく、やはり実際に足を運んでもらった時の印象がはるかに強いんです。「記憶に残るお土産店」となりました。

私たちはお土産店に特化しながら、店舗展開をしてきましたが、今回の成功例を足掛かりに、地域に根差した一般の店舗への展開も目指しています。長野らしさと同時に、古木を使った内装のような特徴ある店舗をつくっていきたいと思います。

長野県大町にある山翠舎の倉庫
長野県大町にある山翠舎の倉庫

 

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