私たちは現在、長野県小諸市の中心市街地にて、複数の古い建物を活かした分散型ホテル事業を進めています(2027年開業予定)。
山翠舎は長年、古民家の解体とともに失われるはずだった価値ある柱や梁を「古木(こぼく)」と名付けて買い取り、
数多くの店舗や商業施設の設計・施工へと活かしてきました。
古民家は本来、その立地や歴史、そこに積み重なってきたストーリーを丸ごと生かすことでより魅力を増していく—
—その考え方を突き詰めたかたちが、この分散型ホテルです。
その土台にあるのは、小諸という土地で出会った地域の皆様との温かいご縁であり、
一つひとつの建物に関わらせていただく中で積み重ねてきた設計・施工の実績です。
今回は、小諸での施工実績をご紹介します。
彩本堂
オープン当初の支配人である中山吉伸さまは、日本サイフォニスト選手権で3度優勝した経歴を持ちます。
店舗は、もともと日本人形店として使われていた古民家を改装したものです。
黒い瓦屋根とグレーの壁、木の梁など、建物が元々持っていた要素をできる限り生かしています。
内装には古木がカウンターの柱や梁、テーブルなどに用いられ、
古民家と古木が醸し出す温かい空気を感じられる空間に仕上げられています。
酢重ギャラリー ダークアイズ 小諸
2023年3月25日オープン

▶酢重ギャラリー ダークアイズ 小諸の施工事例を見る「善光寺表参道 たき澤」や「軽井沢 川上庵 本店」などを展開する株式会社フォンス
代表取締役社長・小山正さま(長野県小諸市生まれ)が手掛けるギャラリーです。
軽井沢のギャラリーで展示している作品を保管する倉庫を探していた小山さまに、
山翠舎が提案したのが小諸の「沼田商店」でした。
2階建てのこの建物は、1階をギャラリー、2階を倉庫として活用されることになり、
むき出しの梁が印象的な1階ギャラリーへと再生されています。
この経緯は、山翠舎代表・山上浩明の
著書『"捨てるもの"からビジネスをつくる』(あさ出版)に、
小山さまとの対談として収録されています。
TSUGUMORI つぐもりカフェ
2023年7月7日オープン

▶SUGUMORI つぐもりカフェの施工事例を見る
長野の浅間山麓から佐久平、その先の八ヶ岳連峰までを見渡せる立地にある、1階カフェ・2階宿泊施設という複合施設です。
「いつかこの景色を見ながら暮らしたい。そしてゆっくりした時間を楽しんでもらえる場所を作りたい」
というオーナーの想いが、空間デザインの根幹にあります。
建物の外装は、周囲の自然を際立たせるためシックな黒色で統一しています。
1階のカフェ空間は、一人静かに景色と向き合う場所と、親しい人と語り合う場所が共存できるようゾーニングされています。2階の宿泊施設は、
八ヶ岳連峰から佐久平へと続く景色を眺められるよう窓を多く配置した構成です。
「TSUGUMORI=継ぐ杜」という名前には、「皆でつないでいく杜」という意味が込められています。
信州小諸 菱野温泉 薬師館 Sauna Space TOJIBA~湯治場~
2023年1月27日オープン

菱野温泉の宿「薬師館」の敷地内に、2023年1月27日にオープンした「スモークサウナ」のサウナ施設です。
薪を焚いて内部に煙を溜めてから入浴する、サウナの原型ともいえる様式で、丸太小屋を焼杉で組み上げています。
設計:KAMITOPEN一級建築士事務所 吉田昌弘 石井嘉恵
協力:設計/LORE 堺大紀
施工:山翠舎
この積み重ねの先に
北国街道沿いをはじめ、小諸の地に息づく古い建物を一つひとつ再生させていただいた経験と、
そこで育まれた地域の方々との温かい繋がりが、この分散型ホテル事業へと結びついています。
山上の言葉を借りれば、小諸は「終点ではなく起点」です。
歴史ある建物をその場所で心地よく過ごせる形として未来へつなぐ——。
地域の皆様と共に歩むこの試みが、同じ悩みを抱える全国の街にとっても小さな希望の選択肢となるよう、
私たちはこれからも一歩ずつ真摯に進めてまいります。